もっと綺麗で訴求力の高い資料を作りたいけれど、デザインは苦手なんだよな...こんな悩みを持つ人にまず学んで欲しいのが「デザインの4原則」です。デザインの4原則は「美しくわかりやすい」を生み出す世の中のデザインされたものは基本的に従っているセンスは必要なく、誰にでも習得可能なテクニックであり、習得のコストに対して効果が非常に高い原則です。本記事ではこのデザインの4原則について解説します。デザインの4原則とは認知負荷が下がり「分かりやすさ」が向上するテクニックデザインの4原則は守るだけで認知負荷が下がり「分かりやすさ」が向上するテクニックです。認知負荷とは人間が物事を認知する際にかかる脳への負荷のことです。情報の受け手は認知負荷が高いとストレスを感じ、その情報を理解するのを諦めてしまうことすらあります。例えば大量の文章が羅列してあるだけのスライド資料は、何が書いてあるのか理解するために一定の時間がかかる=認知負荷が高い状態であるため、多くの人が読むことを諦めてしまいます。「わかりやすい」というのは言い換えれば認知負荷が低いということであり、提案資料など相手に情報をより良く伝える必要がある場面ではこの認知負荷をどれだけ下げることができるかが非常に重要です。デザインの4原則は簡単に学べて誰でも使いこなすことができるシンプルなものですが、認知負荷を下げるテクニックとして非常に強力です。ぜひ使いこなせるように学んでいきましょう。近接、整列、反復、コントラストそれではここから具体的にこの4原則について解説していきます。デザインの4原則は「近接」「整列」「反復」「コントラスト」の4つから成っています。それぞれどういった役割を持つのか簡単にまとめると近接:関係性を作る整列:関係性を整える反復:一貫性を生み出すコントラスト:違いを明確にするとなります。次の章からはそれぞれの原則の役割と働きについて詳しく解説します。近接:関係性を作る近接とは関連する要素を近づけて配置することです。関連性の高い要素同士を近くに配置することで情報のまとまり=関連性を作ることができます。適切な近接が使われていないと、情報が散漫で理解しづらいデザインになります。例えば以下のスライドを見てみてください。左側は近接が保たれている状態、右側は近接が崩れている状態です。左側はタイトルとイメージ図の関係性がパッと見で理解できます。一方で右側は関係性が理解できないことはないですが関係性が曖昧=情報が散漫になっていることが分かると思います。特に「コントラスト:違いを明確に」というタイトルだけに注目すると、このタイトルは上のイメージ図と関係しているのか、下のイメージ図と関係しているのか分かりにくいです。このように近接は関連する要素を近くに配置することで、情報の受け手にそれぞれの要素の関係性を明確に伝え、認知負荷を下げる役割を持っています。整列:関係性を整える整列とは、要素を意図的に揃えて配置することです。グリッドやガイドラインを使って要素を整列させると、デザインに秩序と安定感が生まれます。整列が適切でないと、デザインが雑然として見えてしまいます。例えば以下のスライドを見てみてください。左側は整列が保たれている状態、右側は整列が崩れている状態です。左側はそれぞれの要素の端を揃えるように整列してあります。一方右側は端が揃っていない整列が崩れた状態です。左側は秩序があり見やすい一方で、右側はガタガタとしていて見づらいことが分かると思います。このように整列は要素の端を意図的に揃えることで、受け手に情報を見やすく提供することで認知負荷を下げる役割を持っています。反復反復とは、デザインの要素を繰り返し使用することです。色、形、線、パターンなどを統一感のある方法で反復することで、デザインに一貫性と調和がもたらされます。また反復を適度に用いることで、次にどんな情報が来るのか予測しやすくなり、情報の受け手の認知負荷を下げることにもつながります。例えば以下のスライドを見てみてください。左側は反復が保たれている状態、右側は反復が崩れている状態です。左側はタイトル+イメージ図が同じ形=反復した状態で配置されているため、一貫性があり理解しやすくなっています。一方で右側はタイトル+イメージ図という要素は同じですが、違う形で配置されています。反復が崩れているため一瞬上下で全く違うことを説明しているのかと勘違いしてしまいます。パッと見で理解できない=認知負荷の高い状態となってしまっていることが分かると思います。このように反復は要素を繰り返すことで一貫性をもたせ、情報の受け手の認知負荷を下げる役割を持っています。コントラストコントラストとは、要素間の差異を際立たせることで情報の優先度を視覚的に伝えることです。色、形、サイズ、テクスチャなどの対比を効果的に使うことで、情報の受け手に視覚的に優先度を伝えることができます。対比が適切でないと、デザインが単調で見づらくなります。例えば以下のスライドを見てみてください。左側はコントラストが保たれている状態、右側はコントラストが崩れている状態です。左側はタイトルの色とサイズでコントラストを作っているため、まず何から見るべきなのか優先度が視覚的に伝わってきます。一方で右側はコントラストを作っていないため、何から見るべきなのかの優先度がわかりません。結果として情報の受け手に優先度を判断させる=認知負荷が高まるためわかりにくくなってしまいます。このようにコントラストはサイズや色で要素間の際を意図的に作ることで、優先度を視覚的に伝え認知負荷を下げる役割を持っています。まとめデザインの4原則は「近接」「整列」「反復」「コントラスト」からなる、認知負荷を下げ伝わりやすさを向上させるテクニックです。誰もが簡単に習得可能で、しかし効果の高いテクニックなのでしっかりと習得して資料作成などに活かしていきましょう。